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2017-08

この夏の山行スタイル_Fast Hiking - 2014.09.04 Thu

早いもので9月になりました。日中、日差しが出ても、その輝きは、空や風と相まって秋のものです。
この夏、天候が不順で、日本のあちこちで豪雨や災害に見舞われました。
予定していた登山の計画変更を余儀なくされた方も少なくないと思います。

ぼくは、この夏、山とは関係ないプロジェクト等で、自分の予定が落ち着かなくて、日程のお約束が難しく、積極的にガイド業務をお受けしていません。その分、日程が開けば、単独でポンと山に入ってたくさん移動し、これからのツアーに活かしたいと思って来ました。
その制約の中で、ぼくなりに工夫して来たやり方が、”Fast Hiking”。

通常なら、幾つかの登山ルートに分けるところ、一気に一筆書きで繋げて、南北・東西の水平方向に沢山移動しました。山ですから、その移動には、ルートによって3000M近いピークが幾つも越えながら、垂直方向の自然の変化も加わります。
火山性溶岩の歴史の新旧による植生の変化、地形の変化、標高の変化に伴う植生の変化、動物達の姿など、沢山の自然を間近に感じながら、この一ヶ月半ほどの間、信越トレイル、八ケ岳南北縦走、北アルプス表銀座〜特本の3回、合計7日間のFast Hikingで、約200Kmを移動しました。ご近所の南八ケ岳でのトレーニングも入れると、250Km以上の移動距離になると思います。

トレイルランニングなんですか?と聞かれますが、ぼくは、そう思っていません。
トレイルランニングは、”ランニング”とつくように、集団で山をコースに見立てて走るレースで順位やタイムを付けることが目的で、そのトレーニングとして山を走っておられると思います。

ぼくは、走ること、そのものが目的ではありません。
短い時間しか取れないけれど、たくさん移動して、沢山の自然の変化に出会いたい。それが目的です。ですから、徹夜で、山道を駆け抜けることはしません。

テントを持ち、コンロを持ち、シュラフや薄いダウン等の防寒着、下山時の着替えを持ち、食料と水、水が無ければ浄水器を持ち、必ず、山で泊まることで、自分を出来る限り山に同化させたいと思います。水、食料も含め、これくらいの荷物を35L程度のザックに入れて、12-13Kg程度。
装備の内容はテント泊山行と変わりませんが、出来るだけ身軽に動けるように、数日間の気象の変化をしっかり予測した上で、一つ一つの装備を軽くしたり、あるいは、幾つかの道具を組み合わせて使うことで、適用範囲を広げる工夫を考えてみたりします。

最近、あるザックメーカーは、このような装備を背負ったトレイルランナーのツアーを、Fast Packingという名で呼んでいるようです。
ぼくは、素敵な自然、お花や湿原、遠望に出会えば、そこで立ち止まって、観察をしたり、今、ここに居る喜びを噛み締めます。そうやって、自然や山の空気を楽しむことが、何より大切。ピークも、その旅の通過点。だから、ぼくはそういう山旅を、登山と呼ばず、トレッキングとも呼ばず、わくわく気分のハイキングと呼ぶことに拘っています。

ただ、軽装に拘わるあまり、いざ、という時の対処が出来ない、例えば、今年6月、八ケ岳のトレランレースで、運営側の数名がコース上で雨や冷え込みのため、低体温症になりかけた事実がありますが、それは本末転倒です。
ぼくも、一般の登山の方から見ると、「なんて、寒そうな」と言われることもあるのですが、行動が早いと熱を発散するので、登山よりも薄着になります。汗も沢山かきますので、その分、ウェアの汗抜けや、速乾性、それでいて、時に風を守る防風性も大切になります。
Fast Hikingは速く行動する分、登山とは少し違った装備が適する場合もあるかもしれませんが、できるだけ共用するのが良いと思います。

以下の写真は、Fast Hiking 中、ガスで風が強い蝶ヶ岳付近です。
ここに出るまで、横尾から樹林帯を急登でしたし、この稜線は蝶槍まで行ったら、蝶ヶ岳ヒュッテで大滝山荘の様子を伺う予定でしたので稜線にとどまる時間はわずか。蝶ヶ岳からは、中村新道に入るので再び樹林帯で風が遮られます。その計算で、ヤッケを羽織り、半パンのまま、早足で移動していました。周りの登山者の皆さんは、雨具の上下を来ておられましたので、ぼくの様子は、さぞ寒く見えたようでした。

ちなみに、このヤッケは、いつもお世話になっている八ケ岳リゾートアウトレットのMountain HardWare店長さんに薦めて頂いたもの。ペラペラに見えますが、MHWの契約クライマーUeli Stechが、エベレストを目指した時のレプリカモデルをアウトレット価格でゲットしたものです。
軽量で、汗の乾きも速く、プルオーバースタイルもシンプルで、北アルプスの稜線で大変重宝しました。
足回りは、トレランシューズではなく、アプローチシューズを履き、槍ケ岳周辺の岩場でのグリップを重視しています。Sportivaのボルダー Xにインソールを入れてますが、トレイルの走りも、思いの他、いけました。

R0018490_re.jpg

このFast Hiking、短い時間しかとれないけれど、自然や山を、できるだけ、たっぷり味わいたいビジネスマンに適すると思います。日頃から登山向けのトレーニングで、ジョギングなど、されている方であれば、より親しみ易いでしょう。
ご興味がある方、装備のレクチャーも含め、Fast Hikingの体験ツアーを企画いたします!ご連絡ください。

今年の夏、天候が悪くて、実は、ぼくも山行の予定を変更しました。雪が降る前に、もう一つ、Fast Hikingを実現できるでしょうか。

● COMMENT ●

電車がネックかな〜

この手のスタイル、山に入っちゃえばいいんだけど、奥多摩とか行く時の電車がネック!キモい親父と思われずに、そこをどう乗り切るか!普段車の人はどうでもいい話なんだけども。

移動時の服装

コメント頂き、ありがとうございます。
ランニングスタイルで、交通機関に乗る場合ですね。
Fast Hikingスタイルは、発汗量が多くなります。ぼくの場合テントや小屋泊、また下山後の帰路で汗冷えを防ぎ、また汗臭さで周りにご迷惑をかけないように、着替えとして、軽い素材のウェア(長袖Tシャツ・長ズボン、下着のパンツ)を持つようしています。帰りには、駅やバスターミナル、運よく立ち寄り湯があれば、そこで着替えます。気になれば、行きの電車で、これを着ておく方法もありだと思います。
ただ最近は東京近辺でも、週末早朝の奥多摩方面行き電車には、トレーニングに向かうランニングウェアのランナーやトレイルランナー、自転車競技用のウェアを着たサイクリストが何人も乗っておられますので、その一人として、少しは気持ちを強く持てる気がします(笑)。


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「山のたまてばこ」について

自然の中で過ごすのは、とても気持ち良いですよね。その楽しさから得られる気づきを子ども達と分かち合いたい、その思いから、「自然科学塾 山のたまてばこ」を主催しています。「山たま」は、自然のつながりの中にある不思議を、体験学習を通じて感じ、気づき、考えようとするプロセスを支援する場です。 企業の皆様には、「サミット・コンサルティング」から、登山を通じたチームビルディングをご支援しています。

プロフィール

も~り~

Author:も~り~
公益社団法人 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイド(ステージ2)。

長野県諏訪郡富士見町を拠点に、主に南・北八ヶ岳、北アルプスでガイド活動を展開中。スウェーデンのクングスレーデンを歩いて以来、ロングトレイル・トレッキングの楽しみ方を、積極的にご紹介しています。

経営コンサルタントの経験を持つガイドとして、企業の支援にも力を入れています。

自然体験活動分野では、清里KEEP協会のインタープリターズ・キャンプ修了。子供たちが自然に親しむお手伝いも大切にしています。

山で出会ったこと、身の回りの小さな自然や子供たちの様子を、つづって行きます。

スウェーデン社会研究所 会員
公認会計士
経営学修士 (MBA)

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