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2017-08

ガイドという仕事 _ 乾徳山でロープワーク講習!(速報) - 2010.06.23 Wed

キッザニアをご存知ですか?
幼稚園や小学生にとても人気がある職業体験企画です。

ぼくは昨日(22日)、山のガイドの仕事を体験してきました。
登山のガイド体験は、3月、山岳ガイド成田賢二さんがリードするツアーのガイドアシスタントに続き、2回目の経験です。
今回は、登山ロープワークの実地技術講習を通じて、山のガイドを学びます。

フィールドは、ここ。
日本二百名山のひとつでもある山梨県の乾徳山。
休日には、大人から子供連れのファミリーまで、登山客で賑わうそうです。

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講師は、この方。
東京の四谷 「山の店デナリ」にいらっしゃる山岳ガイド、そしてクライマーの庭野正和さんです。
なんと今日は、プロの山岳ガイドさんに、マンツーマンでロープワークを教えて頂きます。

P6221012.jpg

なんで、ぼくがロープワークを練習したいかといいますと・・・。

1つ、安全を確保するメカニズムを理解しておくことで、ぼく自身の経験カーブが上向くと思ったこと。

2つ、「山のたまてばこ」のフィールドとして、ごくごく普通のハイキングを取り入れたとき、自然に慣れてなくて不安を感じる子供さんの支援に応用したいこと。

ぼく自身、バリエーションルート登山では、山岳ガイドさんにロープで確保して頂く場面がありますから、その技術の役立ちは、身をもって体験しています。

今回のマンツーマン講習では、ぼくが実際にフィールドで役立てる確保の技術を実地で学びながら、ガイドとして持つべき技術・体力を訓練し、意識を高めてゆきます。

天気予報では、終日曇りの天気。
雨が降り出しそうで、とても蒸し暑い登りの時間。
ハルゼミの大合唱の中、満開のミツバツツジが、とても綺麗です。

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乾徳山は、頂上近くから岩場や鎖が続きます。
「山たま」では、岩場ではなくて、ごくごく普通のハイキングしか取り入れません。
でも、確保技術とその効果を理解する上で、ちょうど良い難度で、かつ体力的にもトレーニングになる気持ち良いフィールドでした。

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(雲に囲まれた乾徳山頂上で、昼食を取る庭野さん)

今日の講習で教わったことは、「子供たちの安全を確保する」という視点から、大きく2つあります。

1つ目は、ロープを安全確保に用いる方法の理解。
ロープワークとしては、ロープを手製くさりのように斜面にセットするフィックス・ロープの設営と、子供役の庭野さんの誘導を、繰り返し練習しました。

何をつかって、どういう支点をとるか、ロープのどこに、何個くらい結び目を作っておくと、子供たちが楽に登り降りできるか、など、何しろ、プロのガイドさんが子供役ですから、するどい指摘を頂きます。

いつもなら一度登り降りすれば良い岩場を、ガイドは、ロープ設営のため、子供達の確保のため、ロープの回収のため、と何度も登り降りしなければなりません。
速さと正確さと体力が、とっても大切です。

また経験として、(社)山岳ガイド協会の認定では山岳ガイド以上が使える、ガイドとお客さんをロープで繋いで歩くショート・ロープというテクニックを体験させて頂きました。
ロープをガイドの体にぐるぐる巻きにしてロープを出し入れしながら、お客さんと繋がって一緒に歩く技術です。

ショート・ロープは、山岳ガイドさんがサッと確保してくれる技術ですが、実際は、とても難しいです。
当然ですが、繋がっているということは、挙動がダイレクトに相手に伝わりますから、ガイド側の行動のスピード、スムーズさ、判断力は、さらに必要になるわけです。 山岳ガイドさんの技術、さすがです。

そして一番大切なのは、ロープワークの正確性と速さは当然ですが、お客さんの立場になって、確保をすることです。具体的には、少し不安そうな下りがあれば、サッと下におりて手をかざして受け止める準備をしてあげること、そして声掛けをしてあげること等。
そういう安全への気遣いが、確保の根底にあってこそ、ロープワークが生きるのだと痛感しました。

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(子供役の庭野さん。写真撮影でポーズを取ってもらったので、ロープがちょっと弛んでます)

2つ目、緊急時対応の理解。
まず、ぼくは、いつもGPSを携行していますが、いざホワイトアウトした時の地図とコンパスの実戦的な活用について。

そして、これは、ロープを使って、背負子を作り、お客さんを担ぎ下ろすためのテクニック。
ガイドは、いざという時、人一人を背負えなければなりません。
ロープは、魔法のツール。用途に応じて、巻き方・結び方も様々です。
奥が深いぞ! ロープワーク!

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(実演中の庭野さん)

そして、今回、リクエストをさせて頂いた、もう一つの目玉。
ツエルト(簡易テントのようなもの)の上手な使い方です。
突然雨が降ってきた時、突然、子供の具合がすぐれなくなった時・・・など。
緊急的に休息する”我が家”です。

木を使ってロープでツエルトを張ってみます。
実はスパイスが効いていて、ロープが、よりピンと張られて天井高を稼ぐ工夫があります。

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ストックを使って、テント風に張る方法。
こちらは、ほんと快適で、マットを引けば、キャンプしても良いくらいです。

スピーディに、室内空間を確保することで、緊急時にも子供達に安心感を与えることができますね。
庭野さんは、高校時代、ツエルトだけで北アルプスを縦走されていたそうです。
さすが、積み重ねた経験の技を見せて頂きました。

P6221053.jpg
(乾徳山をバックに、ハルセミの声を楽しむ快適な我が家)

下山を始めた頃、空から日差しが出て来ました。
遠く視界が開けて、風が気持ちいい昼下がりの山です。

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蒸し暑い一日でしたので、下山後、温泉に行きました。
いつも利用されている温泉が休館だったので、たまたま見つけた旅館の立ち寄り湯。

P6221063.jpg

こんな渓谷を臨む、きもちよーい温泉でした!

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さて。
今日の講習は、技術の実地訓練というだけではなく、技術をどういう場面でどう使うのか、繰り返し教えて頂きながら、とても勉強になりました。

最後は、ガイドの認定試験を模して、総まとめ実地試験付き(笑)。
凹型に窪んだ10Mくらいの岩場の下り。
30Mのロープを使い、自分で支点を作って、子供に適したフィックス・ロープを設営します。

(庭野さん)「あと、3分。2分。(10秒しか経ってないじゃん)あー、おっそいなー。はい終わり。」
(ぼく)ガーン。「すいませんっ、もう一回、やらせてくださいっ!」
(庭野さん)「そっかー、認定試験の検定官って、こんな感じだったのかー。気持ちいいなー」
など、真剣な中に、ユーモアも入れながら、みっちり鍛えて頂きました。

何より大切だと感じたのは、プロとしての正確性、スピード感の根底にある、体力・技術、それを裏打ちする経験、そしてお客さんの安全に対する職人的な高い意識です。

今日教えて頂いたプロの技術。
実地に活かすために、繰り返し、繰り返し、練習します。
そして、また実地で、鍛えてください。

わかりやすく、実戦的な講習を、ありがとうございました!

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(頂上で、ロープをさばく庭野さん。この立ち姿だけでも、プロのガイドのオーラを感じます)

山岳ガイド 庭野正和さんのホームページはこちら

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「山のたまてばこ」について

自然の中で過ごすのは、とても気持ち良いですよね。その楽しさから得られる気づきを子ども達と分かち合いたい、その思いから、「自然科学塾 山のたまてばこ」を主催しています。「山たま」は、自然のつながりの中にある不思議を、体験学習を通じて感じ、気づき、考えようとするプロセスを支援する場です。 企業の皆様には、「サミット・コンサルティング」から、登山を通じたチームビルディングをご支援しています。

プロフィール

も~り~

Author:も~り~
公益社団法人 日本山岳ガイド協会認定 登山ガイド(ステージ2)。

長野県諏訪郡富士見町を拠点に、主に南・北八ヶ岳、北アルプスでガイド活動を展開中。スウェーデンのクングスレーデンを歩いて以来、ロングトレイル・トレッキングの楽しみ方を、積極的にご紹介しています。

経営コンサルタントの経験を持つガイドとして、企業の支援にも力を入れています。

自然体験活動分野では、清里KEEP協会のインタープリターズ・キャンプ修了。子供たちが自然に親しむお手伝いも大切にしています。

山で出会ったこと、身の回りの小さな自然や子供たちの様子を、つづって行きます。

スウェーデン社会研究所 会員
公認会計士
経営学修士 (MBA)

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